流星さんの講習当日が来た。俺はとにかく緊張していた。

何せ本物のナンパ師に会うのは初めてだったからだ。
それも頂点にいる人だ。緊張しすぎたとしても誰かに咎められることもないんじゃないかと思う。
しかし、良い意味でこれは裏切られる事になるのだ。マジで。

まずは結論から書こう。
自分はこの講習の日に、ストのなんたるかについてゼロから教えてもらい、ゴールである即というものを体験することになる。
そして彼という人間の持つオーラは、ジャンルを問わず一握りの人間だけが持っているそれだった。
持ち上げすぎだと思う? いや、これでもだいぶ控えめに言っているんです。


150分の講習を通して感じたのは、彼の話はとにかく判りやすく、理論的であるということだ。
無駄なことや余計な装飾が一切ない、核心的な事だけをシンプルな言葉で伝えてくれる。

彼はかなり早い段階で俺という生徒の基本的な部分をプロファイリングして、ナンパをする上で必要な事を最短距離でアドバイスしてくれたのだと思う。

座学ではナンパのなんたるかを体系的に、実技では言葉にしづらいと思われる部分を具体的に。実際的に。
そして口で言ったそれを目の前で用意したサンプルを取り出すかのように街中で見せてくれる。それはとても衝撃だった。

街行く女の子ってあんなに簡単に立ち止まったり打ち解けたりするもんなんですかね…

彼がブログやツイッターで言っている事は誇大広告でもなく、控えめにいっても事実でしかないと言える。
多分、こればっかりは講習を受けてみて、目の前で見てみないと判らないんじゃないかと思う



圧倒的な演奏能力、クラシックの理論、ジャズの即興、ブルースのエモーション、ロックスターの佇まい
スト師とはどうあるべきかを体現しているのが彼なんだろうと思う。カリスマというやつだ。

少しポエムが過ぎたかな



話を戻す。
講習中の自分は、とにかく1ミリでも彼の言葉やオーラを受け逃さないように必死だった。
メモをとり、女の子に声を掛け、彼の一挙手一投足を追って見逃すまいとした。

そうして気がつくと、自分は個室に見知らぬ女の子と2人で居て、そして交わることになっていた。

20分前までは、全く違う人生を歩んでいる他人同士がなぜこのような事になっているのか理解する事が難しかった。
ほぼ全てが流星さんのお膳立てのような形だったが、自分は人生初の即をこのような形で経験した。



纏められる気がしないけど纏めよう。
彼の講習を受けて、自分はようやくストのスタートラインに立たせてもらえたんだと思う。
半ばギャンブルと割り切って身銭を切った彼の講習は、本物中の本物だった。
自分のようにモチベーションはあるのに、進む方角が判らないという人は是非検討するべきだ。


次回の講習までになんとしても今よりも成長した自分になりたいなと思う。
早くまた路上に立ちたくて仕方がなかった。